9月に入ると学校の休暇が終わり、新しい学期が始まる。まだ暑さは残っているが、心理的には夏ではなく、秋の到来を感じさせる言葉やイメージがテレビや雑誌・新聞に数多く現れる。
台風
7月ごろから何回も台風が日本を襲うが、9月に入っての台風がいちばん話題になる。米作(べいさく)を中心とした伝統が千年以上も続いた日本では、稲の花の咲く時期に来る台風がもっとも大きな関心事(かんしんじ)だったからだ。
防災設備や対策の完備した近代とちがい、昔は台風は恐ろしいものであり、逆らうことのできないものだった。日本人の心に宿る無常感は、もちろん仏教の影響を強く受けたものだが、その底には自然の猛威に対して抵抗することのできない人間の無力感が流れていた。それは、自分の運命を天から与えられたものと観ずる心情にも通じる。
また、日本の家屋が木や紙で作られたもろい構造であるのも、自然の力に対する人為の無力さを諦観(ていかん)した人々が、家屋を仮の住まいとみなす心情を反映したものだった。
一方、台風は米作農業(水田耕作)に必要な大量の雨をもたらすものとして自然の慈愛の現れでもあった。日本の古い格言に「待てば海路の日和あり」とか「果報(かほう)は寝て待て」といったものが多いのも、人為よりも自然の恵みの大きさを意識した人々の英知を示すものだった。
中文翻译:
9月一到,学校的假期就结束了,新的学期开始了。尽管天气依然炎热,但在心理上,电视、杂志和报纸中出现的词汇和图片让人们感受到的不是夏天,而是秋天的到来。
从7月左右开始,台风多次袭击日本,但9月份的台风最引人注目。以水稻种植为中心的传统在日本延续了一千年以上,而水稻花期的台风一直是人们最关心的事情。
与现代完备的防灾设施和对策不同,过去的台风是令人恐惧的,是人们无法抗拒的一种存在。日本人心中存在的无常感,当然深受佛教影响,但其背后也有着人类在自然威力面前无法抗争的无力感。这也与他们将自己的命运视为天赐的心理相通。
此外,日本的房屋大多是用木材和纸张建造的脆弱结构,这也是人们对自然力量的无力感的一种反映,他们认为房屋只是暂时的居所。
另一方面,台风也被认为是为水田耕作带来必要的大量降雨,是自然仁爱的一种表现。日本古老的格言“等待海路有晴天”或“福报来临要耐心等待”之类的表达,反映了人们意识到自然的恩赐比人为努力更重要的这样一种智慧。
重点单词:
米作(べいさく):稻作,种稻
関心事(かんしんじ):关心的事情
諦観(ていかん):看破,达观
仮(かり)の住(す)まい:暂时的居所
待てば海路(かいろ)の日和(ひより)あり:
意为即使海面波涛汹涌,只要静静等待,适合出海的日子一定会到来。比喻即使当下的状况很糟糕,但只要不急躁、慢慢等待,幸运就会到来。
果報(かほう)は寝て待て:
对于幸运,不要着急,静静等待那个时机到来就好了,即有福不用忙。
来自于“MAKOJapanese Espresso”