宝くじの当せん金は、10万円以下なら宝くじ売り場で受け取れる。だが、それ以上の高額当せんとなると、みずほ銀行の本店か支店に出向いて受け取り手続きをしなければならない。これは宝くじを発行する各地方自治体が販売、抽選、当せん金の支払い業務をみずほ銀行に委託しているからだ。2019年1月に初夢宝くじで1等1億5000万円を当てた京都・蓮久寺の住職、三木大雲氏が語る。
「みずほの京都支店に行くと、窓口の人に“店前の宝くじ販売所でもう一回確認してください“と言われ、確かに当たっているということで、支店の奥の部屋に通されました」
ゆったりとしたソファのある広い個室で、担当者から振り込み口座を確認された。年末ジャンボを含め、宝くじの当せん金は現金受け取りも可能だが、持ち運びは当せん者自身が行なうため、紛失や盗難防止の観点から口座への入金を強く薦められる。
みずほに口座を持っていればそこに振り込まれ、なければみずほに当せん金受け取り用の口座を作るか、自身のメインバンクに振り込み手続きを取るのが通例だ。三木氏はその場でみずほ銀行に口座を開いた。だが、その場で入金されるわけではない。
その場で渡された『【その日】から読む本』
「“当せん金を用意するのに1週間かかります。その間に当せん券が本物かを確認します“と言われ、当せん券を渡して代わりに引換券のような紙をもらいました。『【その日】から読む本』という冊子も渡されました」
『【その日】から読む本』は、1000万円以上の高額当せん者だけに渡される冊子で、当せん者特有の精神状況や悩みの解説から、当せんを伝える相手、お金の使い途、分与先の検討方法などが丁寧に記されている。
「私は夢に大黒様が出てきてお告げがあったりしたので慌てることはなく、職業柄、我欲や執着を手放すこともできました。でも一般の方々は難しいでしょう。振り込みまでの1週間は心を落ち着かせ、整える期間になったと思います」(三木氏)
みずほ銀行宝くじ部広報宣伝グループによると、当せん金の受け取りに必要なものは「当せんした宝くじ」と「印鑑」、免許証などの「本人確認資料」。宝くじの当せん金には税金はかからないため、10億円が当たっても全額自分の懐に入る。