东京大学工学系研究科专业介绍(中篇)
電気系工学専攻
電気工学とその応用領域技術は、いまや人類にとってなくてならないものとなっています。これまで工学系研究科では、電磁気学・量子物理学を中心とした物理学を基礎とし、その工学的展開を一層広げていく教育・研究を、電気工学専攻・電子工学専攻を中心に行ってきました。一方、同じ東京大学の新領域創成科学研究科では、電気電子工学の物理学的側面と情報学的側面の両者を融合した領域の創成を目指し、基盤情報学専攻において9年間にわたり教育・研究を行ってきました。平成20年度からは、この3 専攻の担当教員がひとつの新専攻「電気系工学専攻」に結集します。いま、新たな展開に向けて出航の鐘が打ち鳴らされました。
電気系工学専攻にはふたつのコースを設定しました。電気電子工学コースでは伝統の力をさらに深化させ新領域に展開する研究教育を推進します。融合情報学 コースではこの伝統と情報学の新たな融合領域の開拓を目指します。
当専攻およびその母体となった専攻は、2002年から5 年間にわたって21世紀COE プログラムを実施し、Center of Excellence としての基盤を確立しました。さらに、2007年からはグローバルCOE プログラムを実施して、深い専門性、幅広い視野、オリジナリティと国際性をもつ次世代リーダーを育成するための研究教育を行っています。みなさんもこの新しい船に乗って、一緒に電気・電子・情報システムの大海原 に漕ぎ出しませんか。
電気電子工学コース
電気電子工学コースは、大学としては世界初の電気系専門の学科として誕生(1873 年)した歴史と伝統を受け継ぎ、工学における基幹分野を担うとともに、常に時代を切り開く新しい概念や先端技術を生み出してきたフロンティア精神を大切にしています。
本コースでは、電磁気学、電気回路理論、数学、情報理論、量子力学などの基礎学問をベースとして、エネルギー、制御、環境、宇宙、情報、通信、集積回路、半導体デバイス、光エレクトロニクス、ナノサイエンス/テクノロジーに至る非常に幅広い分野で世界トップレベルの研究教育が行われています。
また、物理学、化学、生物学、情報科学、材料科学、機械工学、航空宇宙、プラズマ理工学などとの境界領域や新しい領域も積極的に開拓しています。本コースの大学院生には、深い専門性を身につけ世界に通用するトップレベルの研究を行うとともに、時代の変化に対応したり先導したりすることができる広い視野を養うチャンスが用意されています。
電気電子工学は確固たる学問的基盤のもとに発展し、無限の広がりを有する分野であり、将来の発展の芽も数多く含まれています。ここには若い意欲ある学生がやりたいと思う魅力あるテーマが必ず見つかるはずです。電気電子工学コースは、融合情報学コースとともに電気系工学専攻を形成し、今後も世界レベルの研究教育を展開します。
融合情報学コース
どのような学問領域でも、その成熟が進むにつれて専門分野の細分化が起こり、比較的強い関連を持つ領域でも別々に研究が進むようになります。
専門分野の細分化が進むと、関連分野の既存の成果も研究の制約条件と考えられるようになり、その条件下でもっともよい結果が得られる手法に目が向きやすくになります。このような手法は研究の停滞を生みやすくなりますが、これを打破するには、全体を俯瞰する視野を持つことが極めて重要です。情報通信技術が急速に進展するなかで、電気電子工学と情報通信工学の間にもこのような問題が生じています。すなわち、ソフトウェアとハードウェアの細分化です。既存のソフトウェアを前提としたハードウェア、既存のハードウェアを前提としたソフトウェアだけを考えていたのでは、本当に使いやすい情報通信システムを作ることはできません。この問題意識にたって、新領域創成科学研究科基盤情報学専攻では、情報・通信のハードウェア技術とソフトウェア技術とを再融合した新しい学問分野の創成を目指し、教育・研究を推進してきました。9年間を経てその努力が一定の成果をあげた今、伝統ある工学系研究科にこの新しい分野の血を注ぐため、基盤情報学専攻を改組し、工学系研究科に電気工学・電子工学専攻と一体となった電気系工学専攻を設置する運びとなりました。
融合情報学コースは、この新しい専攻の中で、新たな学問分野の創成を継続していく使命を帯びています。教育面でも、ハード・ソフトの両面を理解することができ、広い視野から次世代の情報通信技術の構築に貢献できる人材の育成を目指しています。
物理工学専攻
システム創成学専攻
システム創成学専攻では、人間、人工物、自然をとりまく様々な現代的課題に立ち向かいながら新しい価値の創出やシステムのイノベーションを実現し得る人材を輩出するために、システム科学を基礎として工学知を統合し、革新的なシステムの実現のための原理と方法論に関する教育・研究を展開していきます。
マテリアル工学専攻
いずれの研究室においても、マテリアルの原理を深く追求し、科学の基盤の拡大と新たな科学の創出を目指す研究、マテリアルのさまざまな機能を見出し創造し、そのシーズを新たなテクノロジーにつなげる先進・先導的な研究、技術や環境などの革新、人類の幸福をもたらす次世代技術の実用化につながる社会貢献度の大きい研究が、次々と進められています。
応用化学専攻
ひとの役に立つ技術・材料・デバイスを開発するためには、基礎的な研究も欠かせません。「根」によって吸収した知識に基づき、それを発展させ、ときには修正しながら、新しい化学の基礎を創りあげていくのです。物理化学、無機化学、有機化学、生物化学・・・そうした過去の分野にとらわれず、自由な発想で、未知の世界へと、多様な「枝」を広げてゆきます。物質の性質、成り立ち、相互作用。そこには多くの、人類が知らなかった何かが隠されているのです。
基礎研究によって人類の知識を豊かにすることは、私たちの重要な使命のひとつです。しかし、それを生活に役立てることができれば、その知識はより意義深いものとなります。エネルギー変換や貯蔵、環境浄化、医療、情報処理など、応用化学を通して、社会や生活のさまざまな場面で貢献することができます。多岐に広がった知識の「枝」の先に、豊かな「実」を結ぶことこそ、私たちの最終的な目標なのです。
化学システム工学専攻
「化シス」では、人類の直面している課題、とりわけ環境・エネルギー、医療、安全・安心の分野で教育・研 究活動を行っています。これらのテーマは相互に関連しており、地球にとって、自然界にとって、人類にとって最適な解を見つけるためには、一つだけの事象を考えるのではなく、全体を俯瞰したシステム的思考が必要不可欠です。