ノーベル賞の受賞者に選ばれた京都にゆかりのある坂口志文さんと北川進さんに対して、京都府は「特別栄誉賞」を贈ることを決めました。
これは10日、京都府の西脇知事が定例の記者会見で明らかにしたものです。
ことしのノーベル賞では大阪大学特任教授の坂口志文さんと京都大学理事の北川進さんが受賞者に選ばれていますが、坂口さんも京都大学を卒業するなど、ともに京都にゆかりがあります。
会見の中で西脇知事は「2人の研究は人類の未来に希望をもたらすような内容で改めて敬意を表したい。受賞が若手研究者や学生の励みになり、京都から世界の課題を解決するような新たな研究成果が出ることを期待したい」と述べました。
その上で「京都ゆかりの2人の受賞は府民にとっても大きな喜びだ。改めて京都の学術環境の水準の高さや多様性が世界に示されたのではないか」と述べ、「京都府特別栄誉賞」を贈る方向で関係者と調整していることを明らかにしました。
「京都府特別栄誉賞」は特筆すべき業績で京都府の名誉を世界的に高めた人に贈られる賞で、2002年に創設され、これまでに京都にゆかりのあるノーベル賞受賞者6人に贈られています。
東京・新宿にある書店は、ノーベル生理学・医学賞の発表の翌日にコーナーを設けました。
ノーベル生理学・医学賞の受賞者に選ばれた坂口志文さんが5年前に刊行した「制御性T細胞」の発見のいきさつなどをつづった著書は全国の書店から注文が相次ぎ、出版社によりますと急きょ2万部の重版が決まったということです。
また、擬人化された細胞たちとウイルスとの戦いなどを描いた人気漫画「はたらく細胞」は「制御性T細胞」のキャラクターが登場し、作者の清水茜さんがSNSに「本当におめでとうございます。制御性T細胞さんを思い出して下さる方が沢山いらっしゃって、とても嬉しいです」などというメッセージをイラストとともに投稿して話題になりました。
コーナーにはことしのノーベル化学賞の受賞者に選ばれた北川進さんが監修した専門書なども並べられています。
紀伊國屋書店新宿本店の池辺裕一郎さんは、「坂口さんは周りから懐疑的に見られても研究を続け、信念を貫いている姿が印象的でした。2人の日本人研究者にこの機会に興味を持ち、関連する本を手に取ってほしいです」と話していました。









