【天声人語】コンビニの曲がり角 2019年10月12日
1980年代の話である。脚本家の山田太一さんは、自宅ではなくアパートを借りて仕事をしていた。電話に邪魔をされたくないからだが、困るのは食事だ。深夜、空腹に耐えかねて外に出ても開いている店はない▼そんなときに道路に漏れる灯(あか)りが見えた。新聞で読んだことのある24時間営業のコンビニらしい。「これかァ。これなんだ。オレみたいなのが、都会にはきっと商売になるくらいいるんだ」とエッセーに書いている▼夜も眠らない店が珍しくなくなったのは、いつ頃からか。コンビニの先にまたコンビニがあるのが現代日本の風景である。それがここにきて曲がり角にさしかかっている。セブン―イレブンが拡大路線を改める▼1千店を閉店ないし移転する一方、新規の出店を抑えていくという。働き手が不足していると店主らから悲鳴があがるなか、店を増やし続けるのが難しくなった。業界では年中無休も見直され始め、ローソンは来年の元日に100店が休業する▼米国から取り入れられたコンビニは、日本で高度な発達を見せた。いつでも開いていて同じサービスが受けられる。しかしそれを可能にするためにどんな苦労があるか、目が向けられることが少なすぎた▼山田さんはコンビニを舞台にドラマの脚本を書き、登場人物に語らせた。「こういう店が、灯りをつけているだけでも、随分ほっとする人がいるんだろう」。訪れる人を包み込んできた店の灯り。これからは店を支える人たちを照らす灯りがいる。
便利店的拐点
这是发生在20世纪80年代的事。脚本家山田太一没有在自己家而是租了一间公寓进行工作。不想被电话打扰的同时,吃饭却成了难事。深夜饥饿难耐,就算出去了也没有营业的商店。
就在这时,他看到了道路上漏出的灯光。感觉像是在新闻上看到过的24小时营业的便利店。他在随笔中写到:“是这个吗,就是它了。城市里一定有像我这样深夜还来买东西的人”。
这种24小时营业的便利店从何时开始变得不再稀奇了呢。便利店前面还是便利店,这是现代日本的风景。这样的风景如今正在经历一个转折。7·11便利店修改了其发展规划。
关闭或转让1千家门店的同时,控制新门店的的数量。在店主们人手不足的悲叹声中,继续增加门店数量十分困难。业界也开始重新审视全年无休的政策,罗森决定明年1月1日,100家门店不营业。
从美国引进的便利店,在日本蓬勃发展。无论何时都营业并可以享受同样的服务。然而人们却很少注意到,为使之成为可能得有多么辛苦啊。
山田以便利店为舞台写了电视剧的脚本,通过登场人物的口吻讲述到:“这样的店,即使仅仅亮着灯,不少人便会觉得安心吧”。这是照亮着到店顾客的便利店之光。之后还需要照亮经营着便利店人们的灯光。