近頃便利になったものに電話があります。
各種の機能が組みこまれ、大変な働き者ですが、使い方を間違えたり、一つ番号を間違えると大変な事になってしまいます。
ずいぶん前の話ですが、受話器を上げると交換嬢が、「何番、ナンバン」と早口で尋ねて来たものです。受話器を取った方も、つい慌てて、「ナンバンじゃぁねぇよ、たぬきそば二つ。」などと答えてしまったそうです。
現在のボタン式では交換などとは無関係ですが、ボタンの押し違いで違うところにつながってします。
最愛の妻の軽い頭痛と聞いただけでびっくりした若い亭主は早速病院へ送り込み家に帰ってからも心配でたまりません。
帰ってくるのも妻からの電話も待ちきれずに病院に電話をしましたが、慌ててふためき病院へかけたつもりが、自動車の修理工場にかけてしまいました。
「もしもし、もしもし、わたくし先ほど伺いました凸山と申しますが、妻の具合はどうでしょうか。」
「エーッ何?凸山さん、ちょっと待ってくださいよーおーい凸山さんの車どうなっている?あーそうかい、分かった。あのねー凸山さん、ありゃひどいね。」
「エッ、ひどいと申しますと?」
「がたがただよ。」
「がたがた?」
「そう、がたがた。当分使い物にならないよ。」
「しばらく預かって、最後はきちんとチェックしてお返ししましょう。」
電話番号の間違いに気が付くまで、しばらくはぼんやりとしていたそうです。笑い話ですむ場合はよいのですが。