【天声人語】そろばん留学1期生 2019年9月18日
南太平洋の島国トンガにツポウ4世という親日家の国王がいた。そろばん教育を自国に広めたいと1980年代から留学生を日本へ送り出す。1期生ノフォムリ・タウモエフォラウさん(63)を、いまの勤務先の埼玉工業大学に訪ねた▼「最初の2年は懸命に習いました。小学生に交じってパチパチやって4級に合格。でもその後は時間がなくて……」。ラグビーの練習が忙しくなったためだ。留学した大東文化大で、トンガ代表の実績をもつ彼がチームの要となった▼言葉や食事には慣れても、大学スポーツ界にはびこっていた過度の上下関係にはなじめない。学年が上というだけでむやみにいばり、下というだけで奴隷のようにこき使われる。見かねて「後輩をかばってこそ先輩だろう」と声を荒らげた日もある▼就職した三洋電機でもチームを牽引(けんいん)。87年の第1回W杯では日本代表に選ばれた。「トンガ人の僕が日本を代表する責任は本当に重かったですね」。初戦で2本のトライを決めている▼在日39年、よどみない日本語で「そろばん教師として帰国することを国王は期待していたはず。それでも日本に残ったことに満足しています」。仕事のかたわら、母国からやって来る後輩たちの面倒を見てきた。あさって開幕するW杯ではトンガ出身の5人が日本代表に入っている▼もしもツポウ4世が珠算好きでなければ、この秋、私たちが見ているラグビー熱はなかったかもしれない。そろばん留学生たちの奮闘に改めて感謝したい。
参考译文:
第一届算盘留学生
南太平洋岛国汤加,有一位国王名叫图普4世,他是一个十分亲日的人。他为了扩大自己国家的珠算教育,从20世纪80年代开始向日本派送留学生。笔者前往首届留学生Nofomuli Taumoefolau现在的工作地——埼玉工业大学进行拜访。
“(我来日本留学的)头两年拼命地学习(珠算)。在小学生中吭哧吭哧地过了4极。但那之后就没有什么时间了……”。因为一直忙于橄榄球的练习。在留学的大东文化大学,有着汤加代表成绩的他是球队的主力。
即使习惯了语言和饮食,但他还是无法接受充斥着大学体育界的上下级关系。仗着年级高就不讲道理地摆架子,因为年级低就像奴隶一样被随意地使唤。看不下去的Nofomuli 有时候声嘶力竭地喊到:“学长不是应该罩着学弟吗”。
Nofomuli曾就职于三洋电机,在那里也带领过橄榄球队。87年的第一届橄榄球世界杯就曾入选日本代表队。“身为汤加人的我肩负代表日本的责任可是相当重呢”。首场比赛中就有两个持球触地得分。
在日39年,用流利的日语说到:“汤加国王曾经应该期待着自己以珠算老师的身份回国的。但留在日本让我很满足”。工作之余,还兼职照顾从祖国远到而来的后辈们。在明天即将开幕的橄榄球世界杯上日本队有5名队员来自汤加。
如果图普4世不曾喜欢珠算,那么这个秋天,也许就没有我们所看的橄榄球热。想到这,想再次感谢珠算留学生们曾经的奋斗。